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現代版の「女工哀史」 「暴行」「監禁」…中国人実習生が告訴(09.04東京新聞)
現代版の「女工哀史」 「暴行」「監禁」…中国人実習生が告訴

「1日15時間以上働いても月5万円。残業代もわずか」「体だけではなく心も傷ついた」。山梨県昭和町のクリーニング会社で働く中国人実習生の女性3人が待遇改善を求めたところ、帰国を強制され暴行されて負傷したと訴えている。1人は骨折で入院中。逮捕監禁致傷容疑と傷害容疑にあたるとして、2日、社長ら5人を山梨県警南甲府署に刑事告訴した。



1日15時間以上 基本給は5万円

待遇改善求めたら被害

告訴したのは段艶紅さん(31)、胡菊花さん(35)、張愛霞さん(37)。

「暴行のあとです」。

段さんは右腕を見せながら硬い表情で説明した。

告訴した3人を含む実習生6人は先月20日、社長たちに待遇改善を申し入れた。ところが、22日朝、社長ら約15人が社員寮に訪れ、すぐに帰国させようと、殴打などの暴行でけがを負わせ、無理やりマイクロバスに乗せた。実習生はバスから飛び降りたりしたため寮に連れ戻され、夜は見張りをたてて部屋に“監禁”。張さんは逃げようとして2階の窓から飛び降り、左足を骨折したという。

その後、告訴した3人は逃げて、外国人研修生や実習生を支援する「全統一労働組合」(東京都台東区)に保護されたが残りの3人は帰国させられた。

6人は2005年12月、上海から来た。外国人研修・技能実習制度の対象である「婦人子供服製造」を学ぶためだ。1カ月の日本語研修後、研修生として同社に入り、その後、実習生になった。

ところが、やらされるのはクリーニングの手伝いばかり。「日本の縫製はすごいと聞いて技術を学びにきたが、一度も縫製技術を学べなかった。体だけでなく、自尊心も傷つけられた」(胡さん)

午前7時半から午前零時まで働く日もあったのに、基本給は5万円。午後5時以降の残業も時給300-450円がつくだけだ。「土日も働くことが多く、昨年9月から今年3月までに3日しか休めなかった」と段さん。「疲れて深夜に自転車で帰る時、転倒してけがをした人もいました」

こんな“偽装”も行われた。同社は、外国人研修・実習制度を支援している財団法人「国際研修協力機構(JITCO)」の巡回指導が入る際は急きょミシンを設置。胡さんは「残業時間は月33時間、手当は11万円もらっていると答えるように紙を渡された。タイムカードも偽装しろと言われた」と明かす。

6人は先月20日、正規の報酬の支払いを求めて要望書を提出。社長らは28日に回答すると言ったのに、返ってきたのは“早朝の襲撃”だった。

「日本は先進的な国とあこがれてきたのに」と段さん。同社にはまだ、研修生や実習生が9人残っており、「外国人研修生権利ネットワーク」共同代表の莫邦富氏は「女工哀史」の現代版だと憤りを隠さない。

全統一労働組合によると、社長は25日に組合を訪れ、暴行を謝罪。「法律違反があることは分かっている」と最低賃金を下回っていたことも認めたという。

JITCOは「巡回指導の際、ミシンで婦人・子ども服を作っているところを確認し問題ないと判断した。今回の件は捜査機関に任せるが、巡回指導のあり方の見直しも検討したい」。

しかし、クリーニング会社側の弁護士は「会社は住居費など負担しており、その分を考慮すれば、最低賃金法程度は払っていた。暴行した事実はない」と話している。


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